2日続けて同じ店で、ラーメンを食べた。具もめんもスープも同じに思えたが、消費税別で1日目が390円、2日目は290円だった。全国展開するラーメン店チェーンが大幅な値下げに踏み切ったからだ。
担当者によると、材料を大量に仕入れることで、品質を落とさずに原価を削減したそうだ。ギョーザやご飯ものを加えたセットメニューをできるだけ注文してもらい、全体の売り上げを減らさないようにしていきたいという。
上には上というか、下には下というか、近くには「税込み290円」をうたう別のチェーン店もあった。激しい価格競争があるようだ。
朝日新聞のデータベースで今年初めからみると、「値上げ」ということばを含む記事は約350本、「値下げ」は約240本だった。ハンバーガーやコーヒー豆、東京の銭湯料金、東京ディズニーランドのチケット……。原油高騰に加え、デフレ脱却のかけ声もあって、このところ値上げのニュースが目につく。
作家の小林信彦さん(73)は、戦争直後の体験を引いて、しばしばインフレへの懸念を書いている。「インフレをコントロールする、とよく学者はいうが、『デフレをまともにコントロールできない政府・役人が、インフレをコントロールできるはずがない』とぼくはつぶやく」(『にっちもさっちも』文春文庫)。
値下げしたラーメン店は以前の倍以上の客で、行列ができていた。今後客は増えるのか減るのか、値段はどうなるのか。身近な経済を知るために、1カ月後、1年後にも定点観測してみようと思った。

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