道の行く手で歓声があがる。「がんばれっ」「しっかり」。校庭の方から声援が聞こえる。昨日、通り掛かった東京都心の小学校で運動会が開かれていた。
紅白に分かれてのリレーのさなかだった。追いつき、追い越され、バトンを落とし、拾い、手渡す。そのひたむきな姿に足を止めた。子どもたちが競い、あるいは力を合わせて何かをしようとする。それぞれの力の強さ弱さや演技の巧拙などを超えて、訴えてくるものがある。
校舎の壁に、飾りつけられた文字板が横に並んでいる。「栄光をつかめ!夢のゴールへ 紅白ともに」。紅白に分かれて競いながら、紅白ともにゴールに入る。大人の世界ではなかなか難しいことだ。しかし幼いころに、そうして競い合い、ともに力を尽くすのはいい思い出になるだろう。
前の日曜日に通り掛かった別の小学校の運動会では、6年生が組み体操をしていた。2段、3段の人のやぐらをつくる。人に見せるため動きをそろえるというよりは、それぞれのペースで手をつなぎ合い、肩を組む姿が好もしい。
その小学校は、創立100周年になるという。明治以来の長い歴史の中で、平時なのに、今ほど小学生の安全が脅かされた時代はなかっただろう。校庭で子らに声をかけ、あるいは静かに見守る父母や祖父母たちも、この運動会の平穏が続くように願っていたはずだ。
秋田県藤里町で殺害された小学1年生は、先月あった運動会の80メートル走で1等賞をとったという。将来は大工さんになりたい。芽生え始めたそんな夢をも、凶行は奪い去った。

日语应试






