1级読解の練習(16)
少し前のことになるが、①フインランドの保護当局が実施したという調査の結果が興味深い。食事の指導や健康管理の効果がどのようなものであるかを、科学的に調べようという調査である。
四十歳から四十五歳の管理職を約六百人選ぶ。彼らには、承諾を得た上で定期検診、栄養学的な調査などを受けてもらう。また、運動を毎日すること、煙草、アルコール、砂糖などの摂取を抑えることを約束してもらう。そして、そういう健康管理を十五年間続けた。
その効果を比較して調べたために、同じ職業分野に属する別の六百人の群れを選んだ。これは同じ年月、いかなる健康管理の対象にもされない人々である。彼らには、何の説明もせずに定期的に健康調査表に解答を書き込んでもらった。
そして両方の群れを比較した。はっきりした違いが現れた。心臓血管系の病気、高血圧、死亡、自殺......いずれの数も一方の群れが少なかった。何と、それが健康管理の対象ではなかった人々だったというのである。②医師たちは仰天し、③実験結果の公表を控えたそうだ。
R.ジャカール、M.テブオス共著、菊地昌美訳「安らかな死のための宣言」に紹介されている話である。健康管理は不要だ、などと速断するわけには行くまいが、調査結果の含意はまことに意味深長だと思われる。
本は「治療上の過保護と生体の他律的管理は、健康を守ることにはならず、逆に、依存、免疫不全、抵抗力の低下、要するに不健全な状態をもたらす」と指摘している。私たちの④生き方万般についても考えさせるものを含む言葉だ。
過保護が依存を生む。そのまま、⑤子供の育て方や教育の在り方に通じる話である。そして自律が自立につながる。むろん必要な医療を受けなければならないが、健康保持には、平生、自ら抵抗力をつけ、免疫機能を高める工夫が肝要だと知らされる。
問1 ①フインランド保護当局が実施した調査はどのような目的で始められるか。
1 健康管理を人々に徹底したい
2 健康管理が本当に有効かどうかを調査したい
3 健康管理の有効性を詳しく知りたい
4 健康管理が人々の自律につながることを知らせたい
問2 ②医師たちは仰天したのはなぜか。
1 調査結果が期待した結果と違うものだったから
2 調査結果で病気や自殺が予想より多かったから
3 調査結果がまさに予想通りだったから
4 調査結果が説明不可能なものだったから
問3 医師たちが③実験結果の公表を控えたのはなぜか。
1 仰天して公表する精神的余裕がなかったから
2 健康管理をしない方がいいということにつながるから
3 健康管理をさせた人の健康状態が悪化したので責任を感じたから
4 医師たちがショックを受け公表どころではなかったから
問4 ④生き方万般の例としてあげられているものはどれか。
1 健康管理 2 子育て 3 医療 4 自律
問5 ⑤子供の育て方や教育の在り方に通じるとはどういうことか。
1 教育において過保護は逆効果であることが多いということ
2 教育において何も管理をしない方がいいということ
3 教育において必要に応じて過保護と依存が存在するということ
4 教育において過保護は自律的な人間を生み出すということ
問6 この文章の題として最も適当なものはどれか。
1 健康管理と過保護
2 仰天したフインランドの医師たち
3 過保護と自立
4 依存と過保護
1级読解の練習(17)
居間と言う呼び名を文字どおり解釈すれば、“そこに居るための部屋”であり、リビンゲ、ルームは“生活する部屋”である。それじゃ、料理している時は台所に“居ない”のか、寝室で寝ている時は“生活していない”のか、と言えばもちろんそんなことはない。しかし逆に、居間とは何のための部屋か、と問い返されると、一言で答えるのは難しい。居間は“料理する”とか、“寝る”と言う風に分節化し得る生活行為のための場所ではないからだ。まあごく通俗的に言えば、“団欒のため”という答え方があるが、この“団欒”という言葉はホームドラマの一場面のような①白々しさが合って、どうもインチキ臭い。近頃ではテレビの中でさえ、所謂辛口ホームドラマばやりで、絵に描かれたような家族団欒などにはめったに目にかかれなくなった。団欒とは複数の人間が楽しそうにおしゃべりしていることを指すのだろうが、居間が②それだけを目的にしているとは思えない。ちょっと考えてみればすぐ解ることだが、居間では一人で新聞を読んでいることも、爪を切っていることもあるし、夫婦で酔っ払っていることだってあるのだ。
住宅の歴史を竪穴住居まで溯って考えると、初めにすべての生活行為が一部屋で行われた住居があって、そこから調理、睡眠などの、③それ自身としての分かれやすい行為のための部屋が次々と分離していき、その後に残った行為すべてを引き受けているのが居間なのだと言えよう。後に残ったのは、分節化され得ない行為の複合体だから、一言で名づけようがないのが当然だ。そういう行為を敢えて言い表しているのが“居る”とは“生活する”という言葉なのだろう。
( ④ )、住居の中で居間が占める位置が、それぞれの目的に沿った室を引き去った余白のようなものであるかと言えば、むしろ反対であろう。住居の設計者はたいてい、発生論的な順序とは逆に、居間を注視にして住宅を考え、その周囲に個々の目的を持った部屋を配置していく。これはあまりにも⑤常識的な手順になっているので、設計者自身も特に意識はしていないことが多いが、あの手順の中には⑥一つ確実な思想が潜在する。それは複数の人間が家族と言う共同体をなして一つの住居に暮らしている時、その家族の共同性の絆となっているのは、料理するや寝ることではなく、そんな風に分節化され得ぬ行為の複合体である、という考え方だ。
これが単なる常識ではなくて、一つの時代の刻印をもつ思想であることは、別の時代の住宅を思い浮かべてみれば明確になる。( ⑦ )日本戦前における中流以上の住宅では、洋風の応接間か、座敷と呼ばれる接客空間が平面設計の中で優先的な地位を占めていたが、これは社会的な体面を重視する思想の現れである。また西部劇の世界では、たいてい食卓が住居の中心を占めていたが、これは激しい労働の後での食事が最大の喜びでもあり、それを神の恵みとして神聖視するキリスト教の信仰の具体化であったと考えられる。もちろん今日でも、僕自身を含めた食いしん坊や飲み助にとって、食卓は大変重要な心理的位置づけを持っているのだが、飢えの記憶から遠ざかった生活の中での食事は、( ⑧ )神聖な光背を失っている。そして、人工照明の発達によって引き伸ばされた長い夜や、家事労働の軽減によって生まれた時間を過ごすための空間として居間の重要性が増してきた。その上、現在では戦前の家父長制的な“家”とは異なり、家族と言う共同体を外から限定する枠組みがなくなっていることを考えると、居間は共同性を支える中心としても重要な役割を担うようになってきたのである。
問1( ④ )、( ⑦ )、( ⑧ )に入る適当な言葉を下からそれぞれ選びなさい。
④ 1 かえって 2 しかし 3 だから 4 にもかかわらず
⑦ 1 つまり 2 それゆえ 3 ところが 4 たとえば
⑧ 1 もはや 2 やがて 3 やっと 4 いよいよ
問2 文中①「白々しさ」とあるが、この場合、「白々しい」の意味として最も適当なものはどれか。
1 明るく暖かい
2 寂しく冷たい
3 自然な
4 本当らしくない
問3 文中の②「それだけ」の「それ」は、何を指しているか。
1 団欒 2 ホームドラマ 3 生活 4 テレビ
問4 文中の③「それ自身としての分かれやすい行為」とは、どんなものか。
1 すべての生活行為
2 料理や睡眠
3 家族のおしゃべり
4 居間で行う行為
問5 ⑤「常識的な手順」とあるが、設計者が住宅の設計をする時の常識的な手順とはどんなものか。
1 個人の部屋から配置する 2 台所から配置する
3 居間から配置する 4 寝室から配置する
問6 ⑥「一つの確実な思想」とあるが、これはどんな思想か。
1 はっきりした目的を持たない様々な行為が家族の共同性の絆となっていること
2 個人の空間を確保しなければ、家族としての生活が維持できないこと
3 料理や睡眠などの基本的な行為を家族が共有するのは当然だと言うこと
4 家族のための住宅として、竪穴住居の時代の住宅が最も機能的だったということ
問7 筆者が、現在における居間の重要性の原因として挙げていないことはどれか。
1 日本人が社会的体面を重視すること
2 人工照明の発達で夜が長くなったこと
3 余暇時間が増えたこと
4 以前ほど家族の枠組みがしっかりしておらず、家族の共同性を支えるの が必要なこと
1级読解の練習(18)
バルセロナの空港で、私はいらいらしながら時計を見つめていた。両替所の前、もう三十分も並んでいるのに、列は遅々として進まない。
日本人の団体が三十人余りも、窓口に寄り集まっているのである。①なぜこんなに要領が悪いのだろう。円やらドルやらトラベラーズチェックを考えなしにバラバラ出すため、その度に換算レートが変わって、時間を要しているようだ。おまけに、何人もが集まっておしゃべりしながらだから、なおのこと②もたついてしまう。
団体の後ろについた外国旅行者やビジネスマン等も、困惑した表情である。やがて余りの人数に、窓口がもう一つ設けられたが、団体がその両方に、どっと群がった。
もうどの人の後ろに並んでいいか分からぬほど、列はむちゃくちゃになっている。③皆不愉快そうな眼差しを日本人に向ける。ちょうど日曜日で、市内の銀行も休み。ここで替えておかないと困るのだが。
団体旅行には、④それだから余計に心を配らねばならぬ⑤マナーがあるはずだ。( ⑥ )ケースも、何人かが代表して両替すれば簡単に済む話である。
大勢の人間が場所を独占してしまう時、⑦スムーズにことを運ぶための準備も必要だろうし、せめて窓口が余分に開いたら、自分達のせいで長く待たされている他国の人に譲るくらいの思いやりは、あってもよいのではないか。
はっきり言って団体旅行客は、その人々を前提に作られた観光施設を除けば、( ⑧ )、その地に暮らす人々の生活のペースを乱し、迷惑なものなのである。これを十分認識した上で、気を使いながら行動するのが礼儀だと思う。
集団登校から始まって、修学旅行、社内旅行と、日本人は規律ある団体行動に慣れているようだが、それは⑨管理者付きのことで、管理者がいなければ、自分達さえよければいいという、行儀の悪い集団に一変してしまう。⑩どこか現在の貿易摩擦に似ていないだろうか。
問1 ①「なぜこんな要領が悪いのだろう」とあるが、筆者は何を見てそう思ったのか。
1 大勢の人が並んでいるのに、両替所の窓口が一つしか開いていないのを見て
2 両替所で働いている人の仕事が遅いのを見て
3 日本人が三十人も両替所の窓口に集まっているのを見て
4 日本人が窓口の両方に群がったのを見て
問2 文中の②「もたついてしまう」とはどういうことか。
1 待てなくなってしまう
2 進まなくなってしまう
3 分からなくなってしまう
4 並べなくなってしまう
問3 ③「皆不愉快な眼差しを日本人に向ける」とあるが、なぜですか。
1 日本人が他の人を気にせず、勝手な行動をしているから
2 日本人が両替の方法を知らないから
3 日本人が二つ目の窓口を開けさせたから
4 日本人が外国人だから
問4 文中の④「それだから」とは、何のことを指しているか。
1 人が不愉快になるから
2 列がむちゃくちゃになるから
3 団体で行動するものだから
4 旅行の仕方が分からないから
問5 この文章の中で、⑤「マナー」と同じ意味の言葉はどれか。
1 摩擦 2 行動 3 礼儀 4 迷惑
問6 ( ⑥ )と( ⑧ )に入る適当な言葉をそれぞれ下から選びなさい。
⑥ 1 この 2 その 3 あの 4 どの
⑧ 1 それで 2 それだけで 3 そればかりで 4 それぐらいで
問7 ⑦「スムーズにことを運ぶための準備」とあるが、誰が準備をするのか。
1 両替所の人 2 他国の人
3 日本の団体旅行客 4 ビジネスマン
問8 ⑨「管理者付きのこと」ではないものとは何を指して言っているのか。
1 集団登校 2 修学旅行
3 社内旅行 4 団体旅行
問9 筆者が⑩「どこか現在の貿易摩擦に似ていないだろうか」と言っている
のは、日本人の団体旅行客のどの点のことか。
1 集団で行動する時要領が悪いこと
2 集団で行動する時誰も代表者にならないこと
3 集団で行動する時管理者を嫌うこと
4 集団で行動する時自分以外の人のことを考えないこと
答案请见第2页

日语应试






